(前回からの続きです)
私は軽い気持ちで、長瀞から小鹿野目指して出発しました。
時計は13:00、少し立ち寄るだけなら、十分間に合う時間でしょう。
簡単にスマホの地図を確認し、標識を頼りにバイクの里を目指しました。
バイクの里なんだから、たくさんバイクが行き交うあたりがたぶん目的地。
・・・と思ったのですが、あまり通りません。
小鹿野を示す標識は、現れては消え、また現れてを繰り返します。
でも、たどり着かないのです。
誰もが行きたがるが、あまりに遠い・・・その国の名はガンダーラ、じゃなくて小鹿野です。
いえ、私にとっては、どこかにあるユートピア、どうしたら行けるのだろう、教えて欲しい・・・
と孫悟空(=サル)の気分で、ゴダイゴの名曲を口ずさみながら、ひたすら走りました。
そうこうするうちに、ようやく電柱の地名が、小鹿野になりました。
ふと前方に目をやると、なにやら表示板が見えます。
左右1.5の目を凝らすと、何ということでしょう。
「バイクの森 休館中」
平日だから?というわけでもないような。
でも、ここはバイクの里。
他にも色々あるはずです。
行ける所まで走ってみよう、そう思って、前を向きました。
一本の道をひたすら走っていくと、横断歩道に歩行者がたたずんでいます。
バイクを止めると、その人は軽く会釈をして、横断歩道を渡って行きました。
あ、もしかしたら、こんなやりとりこそが、この地をバイクの里たらしめているのかもしれません。
ハコモノとか、そういうのじゃなく、通りすがりのライダーに会釈してくれる、という受容性。
ああ、行ける所まで走ろう!
でも、日本の国土は、そんなに甘くはなかったのでした。
あと一回続きます。
