HMSバランス(橋の巡礼)

久々のHMSです。
大好きで大切なバランス練習、いちばん力を入れたいのは、いつもながら一本橋なのですが、今日はちょっと深刻な事情がありました。
実は先日、自車両で一本橋を練習中にエンストしまして、橋の上で宙ぶらりんの両足をバタバタさせながらきゃあきゃあ叫んでいるうちに転倒、というか、橋から転落してしまったのです。
ケガこそありませんでしたが、修理代に泣きました。

一本橋の上、たった5cm路面から遠くなっただけで、エンストしたら後はなす術がない、という状況は、なんとしてでも打開せねばなりません。
私自身のため、そして私がこれからアドバイスするかもしれない全ての初心者さんのために。
決意に燃えて、いざ一本橋!なのです。

本日担当は、「壁ドン」と指回しで人気のKインストラクターです。
・・・Kさん多すぎなので、仮にKフレッチャーさんとしておきます。
映画「セッション」で、史上最恐の壁ドンをやったフレッチャー先生に因みます。

さて、参加したことのある方にはお分かりかと思いますが、HMSの1日のカリキュラム構成には、起承転結というか、シナリオというか、その日の最終目標に向けたプロセスが設定されています。
そのプロセスをたどる中で、参加者一人一人の内なるストーリーが生まれ、自分だけの感動体験ができるのがHMSの醍醐味、と私は考えています。

そんな感じでまずは午前。
半クラッチのまま、アクセルを一定にして、リアブレーキの調整で千鳥や狭路などを通る練習です。
三角マーカーを並べたSっぽい、ではなく、S字っぽいコースでは、後輪だけでマーカーを踏む練習、前輪と後輪の間にマーカーを通す練習など。
・・・間違えました、そういうラインを低速で通る練習です(宴会芸じゃないんだから)。
まあ、そのような練習では、アクセル一定にしているはずが、下がっていくクセがあるらしいことを発見することができました。

そして皆様ご期待?の壁ドン、これは二つ重ねたゴム製のトラパイロンを前輪で踏みつぶし、エンストさせてから(!!)両足をステップに置いてバランスを取るという、エコな練習方法です(Kフレッチャー先生の企業秘密をバラしてしまったでしょうか?)。
「足を乗せるのが、雑です。」
さすがフレッチャー先生、一刀両断されてしまいました・・・。

なぜかマーカーをまたぎ損ねて転倒、というワケわかんない展開もありました(←ハンドルフルロックに失敗した)が、アクセル並びに足乗せという問題点をあぶり出して午前は終了です。

午後はお待ちかね?、一本橋群並びにUターンです。
車両はNC750、いつも通りの、軽いけれど足はあまり着かないバイク、要するに橋の上に乗ると地面にはつま先も届かないという、先日の転倒時と同じ条件です。
午前の練習で、無意識のうちにアクセルを少しずつ戻しているらしいクセが発見されていますので、そこんとこ注意!
でも、大胆に粘ること!
・・・で、また橋の上でエンスト、転落しました。
自分、学習能力低すぎです。

一本橋の練習で私がやるべきことは、やみくもに粘るのではなく、回転数のキープとか、Rブレーキの調整とか、クラッチのつなぎ具合とか、なるべくいろいろな要素の扱いを「練習する」こと。
練習時間を長く取れるよう、粘ることも考える、というのが本筋でしょう。
で、「辛くなったら、くるぶしグリップ」。

そういった各要素の練習として見た時、他の橋達・・・V字やW字、丸太、スネークetc.がちょっと違って見えてきます。

V字では、立ち姿勢でスムーズに通過できることを誇示(笑止ですが)するのではなく、着座で停止と発進を繰り返してバランスを見る(V字の溝にタイヤがハマっているので、エンストしても転落はしません)。
W字なら、思い切ってハンドルを切ってみて、どういう状況でどう切ったら、どう状況が変わるのか、極端に試してみる。
スネークなら、後輪が半分落ちても気にせず先へ・・・
各々の橋の個性が、自分にとって必要な練習に役に立ってくれるのでした。

渡り切ることだけを考えていたために、今まで苦しみでしかなった私の一本橋が、今、喜びに変わり始めます。
それは挑戦する喜び、発見する喜びです。
・・・すみません、パクリです。
でも、大好きなパウロ・コエーリョ の「星の巡礼」の一節にぴたりとはまる、そんなうれしさでした。
やっぱりHMSには、超個人的ドラマ性があるように思えてなりません

以前のバランスコースでも感じたことでしたが、練習するってどういうことなのか、最近、改めて少しずつ考え直す機会に恵まれている気がします。