※やや過激な表現を含みます。苦手な方はご遠慮ください。
「伊豆スカなどニュースでやってますが、バイク事故が増えています。十分に気を付けて、明日も元気で出勤できるように安全運転で行きましょう。」
隊長の挨拶で、二輪車倶楽部として今年最後のツーリンがスタートしました。
今回は、免許取り立てで納車後2日目、という若手と、マスツーリングは初めて、というこれまた若手がいたため、基本的にゆっくりペースです。
峠、というより峠にむかう登りのワインディングで、ゆったり走る私たちの横を、風のように走り抜けていく一群がありました。
そのほんの数分後、通りかかったカーブの突端に、プラスチックの大きな固まりみたいなものが落ちていました。
その周囲には、停車した数台のバイクとそのライダー・・・
異変に気付いた私たちのツアーリーダーが停車の合図を出し、全員が停車します。
私も大きな固まりの横を通過した辺りで止まりました。
通過した時、目に入ったのは倒れている人・・・。
膝と腰を曲げたフォームのまま、ガードレールにひっかかって、じっと動かない人間でした。
プラスチックの固まりに見えたのは、タイヤがはずれてしまったバイクのカウルだったのです。
ツアーリーダーと、最後尾にいた隊長が駆けつけ、倒れているライダーの仲間らしき人たちと話をしているのを、私は呆然と眺めてしまいました。
「救急車は手配したそうです。ここにいると、緊急車両の通行の邪魔になるから離れます。」
ツアーリーダーに促され、私たちはその場を離れました。
でも、倒れていた人の姿が、頭にこびりついて少しも消えません。
ほんの少し前、私たちを追い越していった人が、まるで動かない「物」みたいになっていたことが、本当にショックでした。
聞くことはできなかったけど、今回初めてツーリングを経験した、うちの若手二人は、いったいどう思ったのでしょう?
ツアーリーダーと隊長は、いたって落ち着いて、応急救護の義務について教えていたけれど・・・
伊豆スカじゃなくても、危険はごく身近に転がっています。
私は単なる普通のライダーだけど、事故を少しでも減らすために、何かできることってないんだろうか?
今年最後のツーリングを、そんな気持ちで振り返っています。