それができないアナタのために

ふと気が付くと、指導員になってもうすぐ5年です。
思い返せばあっというま・・・ってことは、私、あまり成長していないのでは?
という懸念も頭を掠めますが、贔屓目なしで、そんなことはない、としておきます。
ちょっとずつでも、まあ、日進月歩でマシにはなっていると思ってます。

指導していて最近思うこと。
指導員は、受講生の方のライディングを見て、ここをこう直したらいいですね、なんてアドバイスしますが、言われたことをその場で直せる人は、少数派です。
たいていの人は、繰り返し試行錯誤して、ようやく「感じをつかむ」ところから始まるのではないかと。
人によっては、(つまり、私のように)1回の講習会で直せず、2回3回参加してまだうまくいかず、延々試行錯誤ループを繰り返して、やっとの思いで身に着けていくこともあるでしょう。
・・・いや、私はスキル習得の遅さでは、ダントツ人並み外れているところがありますが。

そんな時、指導員として気づかなければならないのは、その人が、
「注意されたことをやっていないのではなく、注意されたようにできるところまで、まだたどり着いていないこと」
ではないかと。

受講生だった頃、一番つらかったのは、指導員の方に、「どうして言った通りにやらないんだ」と叱責されることでした。
やらないのではなく、できないのだということが、その指導員の方にはどうしても理解してもらえなかったのです。

それでも練習することをやめなかったのは、私をこんな負のスパイラルから救い出してくれた、素敵な指導者との出会いがあったからでした。
練習することを楽しさを教えてもらい、委縮せずに走れるようになってやっと、できることが増えていったのです。

今はモラハラの問題もあるので、かつて私を苦しめたような発言をする指導員はいないと思います。
逆に、うわべだけの笑顔で受講生に接しているのでは?と疑う向きもあるかもしれません。
でも、少なくとも私は、練習の場は楽しいものであって欲しいので、自分も楽しく笑って指導したい、と思っています。

だから・・・
思うように上達できなくて悩んでいるあなたには、ぜひ、あきらめずに、講習会に来て欲しいのです。
練習するって楽しい!って感じてもらえれば、と思うから。

日陰者ジュード(ハーディ著、小林清一訳、千城刊)

夏風邪が長引いて、連休中日は休養&読書で過ごしました。
で、読み終えたのが「ジュード」。
最近、ハーディにハマってます。
19世紀ビクトリア朝のイギリス、貧しい青年ジュードは学問を志しますが、貧しさと身分制のため果たせず、愛する女性とも宗教に阻まれて結ばれず、失意のうちに若くして無名のまま病没する、という、私があらすじを書くと身もフタもない話みたいになりますが、まあ、そんな内容です。

テーマは重いんですが、意外に心に残ったのは、脇役しかもタチの悪い女性キャラでした。
その女性、アラベラは養豚家の娘ですが、まじめでいい夫になりそうなジュードに目をつけ、誘惑し、妊娠したと偽ってジュードと結婚します。
まあ、悪女なんですが、何というか、生命力にあふれ、生きる意欲に満ちているのです。
時代に押し潰されていくかのようなジュードとは対照的に、時代をたくましく生き抜いていく人物です。
私はアニメ「ルパン3世」の峰不二子ちゃんを思い出しました。
脱線しますが、こういう輝くように生きる不二子ちゃんの魅力を最大限に引き出し、テレビ版の女性性を武器にするイヤラシさを排除したのが「カリオストロの城」だった気がします。

若い頃だったら、絶対嫌ったに違いないキャラの魅力も評価できるようになったとは、私も年を取ったもんだ、などと思ってしまいました。

MRIのパンパカパン

半年に一度の脳MRI検査に行ってきました。
私の持病は右大中脳動脈狭窄症というもので、たぶん生まれつきなのですが、脳梗塞リスクであるため、半年に一度MRI検査を受けることになっているのです。

さてこの検査、横になって上半身をトンネル?の中に入れられ、30分ほどかけて撮影されるのですが、その間、身体を動かすのはNG。
しかも音がかなりうるさいのです。
そのため、頭部をヘッドフォンと緩衝材でガチガチに固められます。
ヘッドフォンからは、静かなクラシック音楽が流れ・・・ていたのですが、今日は何故か途中でノリが変わり、運動会の入場行進でよく使われるあの曲が!
ジャンジャカジャーン、ジャンジャカジャーン、ジャンジャカジャンジャンジャンジャンジャカジャン、と流れ始めたのです。

これは検査技師のやる気の現れか、病に立ち向かえという患者への励ましか、とにかく無意味にパワーが湧いてくると同時に、吹き出すのをこらえるのに必死でした。

しかし、入場行進は一曲で終わり、次には「白鳥の湖」の哀切なメロディが。

私、涙が滲むまで笑うの我慢しましたが、まともに検査できたのか、少ーし危ぶんでおります。