ひと夏の夢の扉

そして選考会本番。
私は、今までに一度も経験したことがないくらい、さわやかで明るい気持ちでした。
自分は何からも逃げていない、自分の運命を知るために、全力で挑戦しようとしている。
そう思いました。

それに、もし負けてしまったら、この選考会での走行が、私にとって、最後の一走になるわけです。
これから先の一生、思い出すたびに幸せな気持ちになれる、最高の走りにしなくては。

そして始まった選考は、厳しい戦いになりました。
でも、少しも辛くはなかったのです。

昨日、たまたま本業の絡みで、「夢の扉」という番組の録画を見たのですが、そこには、いつも明るく笑って仕事をしているパートナーが、どれだけ苦労してそこまで辿りついたかが描かれていました。
夢の扉は重くて、なかなか開かないのです。
今、私も夢の扉を開けようとしているのでしょう。
重くて、大変なのは当たり前です。
でも、その重い扉を開けようとしているこの瞬間の爽快感!
自分は恵まれている、幸せだと思いました。

全力を尽くし、もう悔いはない、と思えた選考会でしたが、結果は

後日決戦!

何なんだよ、何やってんだよ、と指導陣からたくさんお小言をいただきました。
詳細は省略しますが、まあ、そういうわけです。

この夏の夢の扉は重くて、一回では開かなかったのでした。
そのことを、かつてチームメイトだった指導員さんに言うと、呵呵として一言。
「おう、何度でも押してくれ」

やはり場数を踏んでいる人は強いな、と思いました。

「ハングリー精神と集中力」

夫の入院が決まった時、私は特練を辞める決意を固めました。
もし、代表になれたとして、日本で1200人しかいないような難病で、しかも自力では立つこともできない夫を置いて鈴鹿に行く訳にはいかない、と思ったからです。

とはいえ、入院当日には、治療方針は決まらず、期間の見込みも立っていなかったので、そのあたりの情報がもう少し揃うまで、結論は出せませんでした。
夫には、辞めるつもりであることを告げましたが、夫の答えは
「あきらめるのはまだ早いんじゃないか?」
でした。

確かに、見通しが立たない状況であきらめるのは早計です。
でも、この春昇進したために、本業の方は昨年までと比べ物にならないくらい多忙になっていますから、夫の付き添いと特練と、両立というか三立?をムリして、私が倒れる訳にもいきません。

では、大会をこんな形であきらめて、納得できるのか?
あきらめてしまったら、
「人生をずっと、自分の運命を探求しなかった、もうそうするには遅すぎると思って暮らすだろう」
(パウロ・コエーリョ「夢を旅した少年 アルケミスト」山川紘矢・亜希子訳)
ということになるような気もしました。

忙しすぎる毎日の、そのくせよく眠れない夜をいくつも悩み抜いた挙げ句、私は週末に行われる、特練の選手選考会にすべてをゆだねることにしました。

もし選考会で勝って、代表選手に決まったら、迷わず鈴鹿まで戦い抜く。
(その間、夫の付き添いは、派遣か下請けか、なんでもいいから外注しよう)
もし負けたら、潔く特練を辞退する。
そう決めました。

私は運命というものを、結構信じています。
たいていモノゴトは、「一番苦労の多い方向に進んでしまう」ことが多いからです。
これを運命と言わずに何と言う?
ならば私は、選考会で全力を尽くすことで、自分の運命を知ろう。
そう思いました。

「自分のために最高の走りをしたいと思うこと」
それが集中力を高めるために大切だと、尊敬する方に教わりましたが、その意味が何となくわかったような、それとも全く誤解したような、両方の気がしました。

選考会前夜、夫は私の決意を聞くと、そうか、と優しく微笑んでくれました。
そして車椅子に座ったまま、私の左手首に、油性ペンでこんな言葉を書いてくれました。

「ハングリー精神と集中力」

その文字は、お風呂に入っても消えませんでした。
日本の文具、スゴいです。

再び付添生活!

夫が月曜日から入院してます。
視神経脊髄炎再発、です。

幸い、今回も視力は無事です。
ただ、前回は右足だけだった麻痺状態が、今回は両足に出てしまいました。
まあ、本人が言うには、前回の右足よりはマシ、だそうです。

診断は入院3か月、立てるところまで回復したら、リハビリ病院に転院するとのこと。
前回と違って、リハビリ中心の治療になるようです。

というわけで、定時まで会社、その後病院で夫の身の回りの世話、のハードワークデイズがスタートしました。
二回めだし、夫本人が楽観的なので、まあ大丈夫かな、と思っています。

それにしても、体力的にはキツイ!
夫の励ましが心の支えです。

って、立場逆か!?

ご連絡:ホームページの非表示について(解決済み)

みなさま
いつもお世話になっております。
標記の件、本ブログの母屋?が現在、
Not Found状態となっております。
これはサーバー側の不具合対応のためとの連絡が、rootさんから入りました。
復旧は月曜の予定とのことです。
決して私が前途を悲観して夜逃げしたわけではありません。
今しばらくお待ちいただけますよう、お願いいたします。

なお、スマホ向けサイト作成は、今秋を予定しております。